#藍と橙の間で

twitterまとめ。デュエルマスターズ・FGO・グリムノーツ・流転のグリマルシェ

【デュエプレ】誰も教えてくれなかったデュエプレ初心者へのキホンのキホン前編・「カードを読む」

乱立するデュエプレ攻略サイトの「初心者攻略!」とか「効率の良い進め方!」とか読んだんですが、あれで分かるなら(DM他TCG問わず)経験者だよなーとか思ったので解説記事を書くことにしました。タイトル通り「キホンのキホン」に寄った内容になる、はず。
技術の話なのでまず実際にゲームしてみて「なんでそうしてるの?」ってなったら読み返すのがいいと思います。またゲームスピードが遅いデュエプレに向けた解説なので、インフレが進んだ紙のデュエマに当てはめようとするとかなり古い情報になります。各自でアップデートしてください。

今回の攻略記事は「カードの読み方」「カードの動かし方」というふたつのテーマにざっくり分けた2部構成となります。
前半であるこの記事は「カードの読み方」、カードに書いてあることを詳しく読み解き、うまく使い分けられるようになるためのあれこれを3つのテーマでまとめたものになります。
なお、デッキについてはネット上にうまい人が山ほどアップしているのでここでは解説しないことにします。これを読んでから各デッキの記事を読めばそのデッキの作者が言わんとしてることが分かるようになる、というのが目標。

前半、「カードの読み方」で解説する3つのテーマはこちら。
・「得する」カードを見つける
・「得」を「勝ち」に変換する - 「勝つ」こと
・「相手が損する」と「自分が得する」 - 「負けない」こと

全てのテーマに「得」という漢字が入っていますが、この文字、めちゃくちゃ大事なので最低限これだけ覚えれば何とかなります。
お得なのは正義。

 

「得する」カードを見つける


エナジー・ライト》はなぜ使われるのか - アドバンテージ入門

デュエルマスターズは、得することで有利に進められるようになるゲームです。
どうやって得するのか、まずは足し算と引き算のお話から。

全てのカードは「自分と相手の手札・バトルゾーン・マナゾーンが何枚増えたり減ったりしたか」によってそのお得さを計ることができます。*1
結果が0なら損得なし、プラスなら得、マイナスなら損。相手のゾーンは計算時にプラスマイナスを逆にして数えます。

まずは例として、何も書いていないカードを使うことにしましょう。*2
クリーチャーの場合、使うことで

自分の手札:-1
自分のバトルゾーン:+1

となり、合計すると-1+1=0になります。得も損もしていません。

呪文や(現状の)進化クリーチャーの場合、使うことで

自分の手札:-1 

となり、-1になります。こちらは1枚の損です。
進化クリーチャーはすでにバトルゾーンにいるクリーチャーに重ねて出すため、バトルゾーンの数は増えません。その代わり、通常のクリーチャーよりもパワーが高く、強力な効果を持っている事も多いです。

次からが本番。表題にもある《エナジー・ライト》を使ってみましょう。

エナジー・ライト》
呪文/水文明/コスト3
■カードを2枚引く。 

カードを引く、それだけ。とてもシンプルな効果を持つ呪文です。

このカードを先ほどの例のように整理してみましょう。
自分の手札:-1(カードを使った分)
自分の手札:+2(カードの効果分)
となり、合計すると-1+2=1になります。1枚の得。
エナジー・ライトは得をするカード、だから使われるのです。

この得を積み重ねていくのが、デュエルマスターズというゲームで勝つために(一部の例外を除いて)大事な考え方になります。相手が5枚のカードを使ったのに対してこちらが6枚のカードを使えたのであれば、その1枚分だけ有利に行動できていると言えるでしょう。
この得のことを「アドバンテージ」と呼びます。優位性。カードゲーマーがよくアドアド叫んでいるのはアドバンテージの略語です。とくしたなー。

カードの効果を読むときは、どのゾーンに何枚のカードが動いたかを頭の中に思い浮かべたり、メモを取りながら読んでみましょう。そうすることでどれだけの得ができるカードか、理解を深めることができると思います。

アドバンテージの種類

次は《エナジー・ライト》と似たようなことをするクリーチャー、《アクア・ハルカス》です。
《アクア・ハルカス》
リキッド・ピープル/クリーチャー/水文明/コスト3/パワー2000
■バトルゾーンに出た時、カードを1枚引く。
エナジー・ライトと同じく、使った時にカードを引く効果を持ったクリーチャーです。ただし、その枚数は1枚。こちらも同じく、整理してみましょう。
自分の手札:-1(カードを使った分)
自分のバトルゾーン:+1(クリーチャーがバトルゾーンに出た分)
自分の手札:+1(カードの効果分)
となり、合計すると-1+1+1=1になります。エナジー・ライトと同じく1枚のアドバンテージ。
ただし先ほどとは違い、手札の枚数は変わらず、バトルゾーンにパワー2000のカードが1枚増えた形になります。このように、アドバンテージにもいくつかの種類があります。

手札が増えると自分ができることが増え、色々なことができるようになります。ただしデュエプレでは一度に持てる枚数は10枚まで。
バトルゾーンが増えると相手を攻撃したりブロックしたりできる回数が増え、より戦況を有利にすることができます。ただしデュエプレではバトルゾーンにに出しておける数は7体まで。

更にもうひとつ、《アクア・ハルカス》と似たようなアドバンテージの取り方をするクリーチャー、《青銅の鎧》です。

《青銅の鎧》
ビーストフォーク/クリーチャー/自然文明/コスト3/パワー1000
■バトルゾーンに出た時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
例によって整理してみましょう。
自分の手札:-1(カードを使った分)
自分のバトルゾーン:+1(クリーチャーがバトルゾーンに出た分)
自分のマナゾーン:+1(カードの効果分)
となり、合計すると-1+1+1=1。同じく1枚の得。
前の2枚と違うのは、手札が減り、マナゾーンが増えていること。

マナゾーンが増えるとより効果の高いカードを使ったり、より多くのカードを一度に使うことができるようになります。こちらの制限はなし。

例えば、手札を増やすことで様々な状況に対応できるようにする。
例えば、マナゾーンを増やすことで早い段階でコストの高い強力なカードを使い、相手を圧倒する。
例えば、バトルゾーンを増やすことで攻撃や防御の手を増やし、敗北を遠ざけ、勝利に近づく。
目に見えるアドバンテージの形として、まずはこの3つを意識しましょう。*3

もちろん、自分が得をするだけでなく、相手が損をすることによっても自分は相対的に得をしているという扱いになります。自分の得と相手の損については、また後程。

「タップ&デストロイ」という古の組み合わせ戦術

アドバンテージは、1枚のカードだけで生み出すものではありません。2枚以上のカードを組み合わせることで得られる場合もあります。
・クリーチャーは、「相手プレイヤー(シールド)」または「相手のタップしているクリーチャー」に攻撃できる。
・「クリーチャーに攻撃した時」または「クリーチャーの攻撃がブロックされた時」その2体でバトルする。パワーの高い方がバトルに勝ち、負けたクリーチャーは墓地に置かれる。パワーが同じだった場合両者負けとなり互いに墓地に置かれる。
基本ルールです。

例。
相手のバトルゾーンにパワー2000のクリーチャーがいます。自分のバトルゾーンにはパワー3000のクリーチャーがいます。
相手のパワー2000のクリーチャーがタップしていれば、自分のクリーチャーで攻撃し、バトルに勝って相手のクリーチャーを墓地に置くことができます。これで+1のアドバンテージ。
では、相手のクリーチャーがタップされていなければどうするか。

次に紹介するのは、紙のデュエルマスターズでも多くのバトルゾーンを制圧してきた戦略兵器、《雷光の使徒ミール》です。
《雷光の使徒ミール》
イニシエート/クリーチャー/光文明/コスト3/パワー1000
■バトルゾーンに出た時、相手のクリーチャー1体をタップしてもよい。
相手のクリーチャーをタップするだけ、これ1枚では±0のカードです。しかし、横に相手のクリーチャーを上回るパワーを持つクリーチャーがいるならば。
そのクリーチャーにバトルしてもらえばいいのです。一方的に倒せればこれで+1のアドバンテージ。相手のクリーチャーをタップしてパワーの高いクリーチャーで倒すことを「タップ&デストロイ」戦術と呼んでいました。*4

このように、1枚ではアドバンテージを取れないカードでも、複数のカードを組み合わせることでアドバンテージを生み出すカードも存在しています。
「タップ&デストロイ」戦術に関連して、次の2枚のカードをご紹介。

ホーリー・スパーク》
呪文/光文明/コスト6
■S・トリガー*5
■相手のクリーチャーをすべてタップする。
《クエイク・ゲート》
呪文/火文明/コスト4
■このターン、自分のクリーチャーすべてはパワーを+1000され、「アンタップしているクリーチャーを攻撃できる」を得る。

ホーリー・スパーク》は相手全員をタップする呪文、《クエイク・ゲート》はちょっと変化球で自分のクリーチャー全員に「アンタップしているクリーチャーを攻撃できる」能力を付与します。どちらも呪文なので使っただけでは-1。

ですが、使用した後に自分のクリーチャーを駆使して相手のクリーチャーを倒していければその分だけアドバンテージを手に入れることができます。お互いのバトルゾーンにある程度並んでにらみ合った時に使えれば、大きなアドバンテージを得られるでしょう。

組み合わせの戦術は「タップ&デストロイ」に限ったものではありません。
例えば、《雷鳴の守護者ミスト・リエス》。
《雷鳴の守護者ミスト・リエス
ガーディアン/クリーチャー/光文明/コスト5/パワー2000
■他のクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の手札が5枚以下なら、カードを1枚引く。

クリーチャー全員が《アクア・ハルカス》になります。出れば出るだけ+1。自分だけでなく、相手のクリーチャーすら、自分の手札を増やす助けになります。

デュエプレに参戦するに際して「手札が5枚以下なら」という条件を追加され、またデュエプレの仕様(手札10枚まで、バトルゾーン7体まで)に縛られたのにも関わらずその強さは健在です。SRに昇格するのも納得というもの。

例えば、《憤怒の猛将ダイダロス》。
《憤怒の猛将ダイダロス
デーモン・コマンド/クリーチャー/闇文明/コスト4/パワー11000
■他に自分のクリーチャーがなければ、攻撃できない。
■攻撃する時、自分の他のクリーチャー1体を破壊する。
■W・ブレイカ

召喚コストに対して非常に高いパワーを持つアタッカーですが、攻撃する時のデメリットとして「自分のクリーチャー1体を破壊する」必要があります。攻撃する度に-1。

では、《飛行男》や《暗闇に潜む者バット・ドクター》といった、「破壊された時」に効果を発揮するクリーチャーを破壊したら。-1だったアドバンテージを0に抑えることができます。
このように、一見デメリットに思える効果でも、他のカードと組み合わせることでそれを活かすことができる場合もあります。不思議な挙動をするカードを見かけたら、それとうまくかみ合うカードを探してみてもいいでしょう。

以上が、「得をすること」=アドバンテージの基礎になります。
1枚で得をするカード、複数のカードを組み合わせることで得をすること。カード選びの最初のモノサシとして、「得をすること」を頭に入れておきましょう。

「得」を「勝ち」に変換する ー 「勝つ」こと

デュエルマスターズは「勝つ」ゲーム
 
長々と「得する」ことについて書き連ねてきましたが、ここでデュエルマスターズというゲームについておさらいしておきましょう。
デュエルマスターズは、(基本的に)2人で対戦し、勝敗をつけるゲームです。つまり「勝つ」ゲームです。「得をする」のが目的のゲームではありません。
ではなぜ、真っ先に「得をする」ことについて述べてきたか。それは「得をする」のが「勝つ」ことへの近道だからです。
 
例えば。
自分のバトルゾーンにパワー2000のクリーチャーが2体、相手のバトルゾーンには同じくパワー2000のクリーチャーが3体いたとします。お互いに手札はなし、シールドゾーンのカードにそのクリーチャーたちをどかせるカードはないものとします。相手の方が1枚得している状態です。
この状態でお互いのクリーチャーがバトルしあったとすると、結果的に相手のクリーチャーが1体残り、その一体に攻撃され続け最終的には負けてしまいます。仮にバトルせずシールドをブレイクしあったとしても、5枚のシールドをブレイクしダイレクトアタックを決めるまでに自分は3ターンかかる一方、相手は2ターンで済むことになります。
これが、カード1枚の差になります。
 
もちろん「こちらのクリーチャーの方がパワーが大きかった」「何らかの理由でプレイヤーを攻撃できなかった」「バトルゾーンからどかす手段を持っていた」「ホーリースパーク」等々、実際の状況はより複雑なものになるのですが、1枚のカードの価値はこれくらいある、ということを理解してもらえればと思います。*6
ゲームに勝つために、アドバンテージを取っていきましょう。
 
 
稼ぐだけ稼いだ結果溺れること
 
得をするのは重要ですが、ただ得をすればいい、というわけではありません。
 
例えば、手札を増やすカードをたくさん入れた結果、
「手札はたくさんあるけどバトルゾーンにクリーチャーがいなくて攻撃できない!」
とか。
 
例えば、マナゾーンを増やすカードをたくさん入れた結果、
「たくさんマナを増やして20枚くらいあるけど手札がない!マナが溢れる!」
とか。
 
例えば、バトルゾーンで勝つためにコストに対してパワーの高いクリーチャー(ブロッカーとか)を入れ、目いっぱい並べた結果、
「バトルゾーンは制圧したけど相手プレイヤーを攻撃できない!どうしよう!」
とか。これはバトルゾーンに7体までというデュエプレ特有の状況かも。
いずれにせよ、得をしたのであれば、得した分をうまく利用できるカードが必要です。
 
ひとつ目。手札がたくさんあるなら、それをぜいたくに使い、いきなり強力なクリーチャーを出せるようにする。
例えば、1コストで出せる《アクア・ガード》を繰り出し、そのまま《クリスタル・ランサー》に進化させてしまう。すぐに攻撃できる、ブロックされない、パワー8000のクリーチャーがいきなり爆誕します。
 
ふたつ目。マナゾーンがたくさんあるなら、マナゾーンから欲しいカードを回収して効率よく展開する。
バトルゾーンに出た時にマナゾーンからカードを探索できる《ストーム・クロウラー》や、攻撃時にマナゾーンからクリーチャーを探索できる《ブラッドウイング・マンティス》を出して攻撃する。マナゾーンが大量にあるので、コストが高いが強力なカードも存分に使っていけます。*7
 
みっつ目。攻撃できないクリーチャーで埋まったなら、攻撃できるクリーチャーにする。
種族にもよりますが《守護聖天ラディア・バーレ》や《聖霊王アヴァラス》など、クリーチャーを進化させて攻撃可能にする。あるいは《ダイヤモンド・カッター》を使用し、攻撃できない状態を無効化してしまう。攻撃できる手段を準備しておきましょう*8
 
大事なのは「ゲームに勝つこと」です。
上手に稼ぎ、稼いだ分をうまく勝利に結びつけましょう。
 
ゲームに勝つカードの存在
 
ここからはゲームに勝つためのカードをいくつかご紹介。レアリティが高いものも遠慮なく掲載していきます。
《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》
アーマード・ドラゴン/クリーチャー/火文明/コスト7/パワー7000
■W・ブレイカ
■このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに墓地に置く。

事前登録者キャンペーンの報酬として配られたカードです。その能力はブレイクしたシールドを手札ではなく、墓地へと送ってしまうもの。当然S・トリガーも使用できないため、高い決定力を持ちます。

ただしすぐ攻撃できるわけではないため、バトルゾーンに出した返しに除去を当てられてしまい何もできずに退場、ということも。安全に出せるように状況を整えておきましょう。
エンジェル・コマンド/進化クリーチャー/光文明/コスト6/パワー11500
■進化 - エンジェル・コマンド
■W・ブレイカ
■誰も光以外の呪文を唱えられない。

《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》と双璧を為す決定力を持つクリーチャー。光以外の呪文を唱えられなくします。

クリーチャーによる除去は限られており、バトルで勝とうにも11500というパワーが簡単には許してくれません。
もちろん、自分も呪文を唱えられなくなるため、呪文を多用するデッキではアルカディアスへ進化した後に出されたクリーチャーを除去できず負け、なんてことも。頭数を揃えて速やかに攻撃を始めるなど、能力が自分の首を絞める前にゲームを決めたいところです。 
《クリスタル・ランサー》
リキッド・ピープル/進化クリーチャー/水文明/コスト6/パワー8000
■進化 - リキッド・ピープル
■W・ブレイカ
■ブロックされない。
βテストで大人気だったフィニッシャーです。決定力はやや落ちますがブロッカーを無視できる突破力が魅力。相手のシールドが0の時に繰り出せれば勝ちです。*9
相手の場にブロッカーが並んでいると「こいつで殴れる」が「こいつでしか殴れない」となり、やや攻撃が単調になってしまうことも。別途ブロッカーをどかす手段を持っておき、攻撃の層を厚くすると隙が少なくなるかもしれません*10
《ダイヤモンド・カッター》
呪文/光文明/コスト5
■このターン、自分のクリーチャーはすべて「相手プレイヤーを攻撃することができない効果をすべて無効化する」を得る。(ただし、この効果によってクリーチャーを攻撃することは可能にならず、召喚酔いも無効にならない) 

前項でもちょっとだけ触れた、呪文によるフィニッシャー。攻撃できない能力を持つクリーチャーをすべて攻撃できるようにします。これにより、ブロッカーで固めたデッキも防御から攻撃に転じることができます。

ただし効果時間は使用したターンのみなので、S・トリガーなどで頭数を減らされるとフィニッシュまでたどり着けなくなることも。2枚抱えておくなど、失敗した時のフォロー手段は何かしら持っておきたいところです。*11
 
ここに挙げたのはほんの一例で、例えばベーシックデッキにも自然のランサーこと《大昆虫ガイアマンティス》など優秀なクリーチャーは存在しています。*12デッキの性質に合わせてフィニッシャーを決めたり、逆に使いたいフィニッシャーを選んでから必要なカードを選ぶなど、隙が少ないカード選出を心がけたいところです。
 
以上が、得したカードの使い道のひとつである「勝つ」ことです。
カードの枚数で差をつけて、そのまま勝利を目指してしまいましょう。

「相手が損する」と「自分が得する」 - 「負けない」こと

自分が得する方が効率がいい、という傾向
 
この項で最初に紹介するカードは《卵胞虫ゼリー・ワーム》です。
《卵胞虫ゼリー・ワーム》
パラサイトワーム/クリーチャー/闇文明/コスト3/パワー2000
■攻撃する時、相手の手札をランダムに1枚捨てさせる。

相手の手札を捨てさせる、「自分が得する」のではなく「相手が損をする」クリーチャーです。

《アクア・ハルカス》と同じくコスト3、パワー2000のクリーチャーですが、効果が発動する条件は「バトルゾーンに出た時」ではなく「攻撃する時」。《アクア・ハルカス》よりもちょっとだけ効果発動のタイミングが遅くなります。
後編で詳しく解説しますが、デュエルマスターズにおける「攻撃」は基本的に弱い行動になる*13ので、強く使うにはひと工夫必要となります。

次も同じく相手を損させるカード、《デーモン・ハンド》。
《デーモン・ハンド》
呪文/闇文明/コスト6
■S・トリガー
■相手のクリーチャーを1体破壊する。

ほぼすべてのクリーチャーを無条件に破壊できるカードですが、そのコストは6。ちょっと気軽に使えるコストではないです。手札から使った場合、得られるアドバンテージは0。得ができるわけではありません。

もちろん《デーモン・ハンド》よりも低いコストでクリーチャーをバトルゾーンからどかせるカードは存在していますが、いずれも「一定のパワー以下」「ブロッカー」「タップされていない」「相手プレイヤーが選ぶ」「手札orマナゾーンに置く」等の条件がついています。*14

参考までに同コストで「自分が得する」カードをどうぞ。
《キング・ポセイドン》
リヴァイアサン/クリーチャー/水文明/コスト6/パワー4000
■バトルゾーンに出た時、カードを2枚引く。

+2です。*15


《雷光の使徒ミール》もそうでしたが、「自分が得する」カードに比べて、「相手が損する」カードは単体で得しづらい傾向があります。*16

「相手の好きにさせない」ということ
 
では、「相手が損をする」カードが弱いのかというとそうではなく。
 
相手の攻撃できるクリーチャーが出ました。《幻竜砲》で焼きます。
相手の攻撃できるクリーチャーが出ました。《デス・スモーク》で破壊します。
相手の攻撃できるクリーチャーが出ました。《マドウ・スクラム》でマナに送ります。
相手の攻撃できるクリーチャーが出ました。《雷光の使徒ミール》でタップし、バトルして勝ちます。
相手の《雷鳴の守護者ミスト・リエス》が出ました。当然《ファントム・バイツ》で溶かします。
 
相手の手札が尽きました。何もできません。
 
相手の場に攻撃できるクリーチャーがいなければ、見た目上は攻撃されて負けることはなくなります。*17得をするクリーチャーがいなければ、それによってアドバンテージを稼がれることもありません。有力な進化クリーチャーを持つクリーチャーを除去することも検討していいでしょう。
このように、適切に使用された「相手が損する」カードは、相手の勝ちを遠ざけていくことになります。その合間に自分のアドバンテージを稼ぎ、バトルゾーンを整えれば自分の勝ちが近くなっていきます。*18
 
勝利を目指すのは相手も同じです。相手より早く勝利を目指すことも重要ですが、このように相手の足を引っ張って速度を落とすことも、また重要なテクニックになります。
相手への妨害もうまく行い、戦況を有利に進めていきましょう。

手札破壊が強い理由

除去と同じく、「相手が損をする」能力である手札破壊。最初に紹介した《卵胞虫ゼリー・ワーム》もその1枚です。紙のデュエルマスターズでは手札破壊をメインにデッキを組まれることも多く、デュエプレでも活躍しています。
この項では、除去と違った強さを持つ手札破壊について解説していきます。
 
ひとつ目。
デュエルマスターズでは、最初に配られる手札は5枚、自分のターンの初めに引くカードは1枚。それに対して、普通にプレイしていればマナに1枚置き、さらにカードを1枚使うため、1枚増えて2枚減る、差し引き1枚ずつ手札が減っていく計算になります。これを毎ターン繰り返すと、(最初のターンはカードを引かない)先攻なら4ターン、後攻なら5ターン目に手札がなくなってしまうことになります。1ターン目に行動するデッキは限られていますが、それでも5~6ターン目には尽きてしまうことになります。
手札破壊は、この手札が尽きる速度を速めることができます。*19
 
ふたつ目。
除去に対して手札破壊のコストは軽めに設定されており、普通に除去するよりも低いコストで強力なカードに対処できる可能性があります。どれが選ばれるかはランダムなのであくまで可能性に過ぎないですが、例えばすぐに攻撃してくる「スピードアタッカー」能力を持ったクリーチャーや、除去が難しい《聖霊アルカディアス》辺りを墓地に落とせれば、その後の展開はぐっと楽になるでしょう。また、手札補充のカードを先に落とせれば相手の息切れも近くなります。
 
みっつ目。
現状では手札破壊に対して根本的な対策がありません。手札を多く持つことで重要なカードを落とさせる可能性は減らせますが、あくまで可能性を減らすに留まります。*20またコスト8とかなり重いですが、手札をすべて捨てさせる《ロスト・ソウル》にはどれだけ手札があっても関係ありません。
 
このように良い面を挙げてきましたが、もちろん万能なわけではありません。
当然ながらバトルゾーンに出てきたカードについては無力*21ですし、例えば十分なマナが揃っている状態で引いたばかりのカードを投げつけてくるような相手にはどうしようもありません。素直に除去で対処し、隙を見計らって自分の行動をしていきましょう。
 
ここまでが「相手が損をする」カードの解説になります。
稼いだアドバンテージを利用して行動を行う点は、むしろ「ゲームに勝つ」カードと対比するものになるかもしれません。相手の動きが早くて追い付けない、または相手の強力な行動に対応したい。そんな時に、除去や手札破壊は力となってくれるでしょう。
 
以上が、前編「カードの読み方」になります。
自分が得をするカード、ゲームに勝つカード、相手に損をさせるカード。カードにはいくつかの役割があることを理解し、うまく使いこなしていきましょう。
 
後編は「カードの動かし方」。デュエルマスターズ独特の立ち回り方を説明しつつ、今回触れた内容とは真逆のデッキである「速攻」の謎についても触れていければと思います。

*1:墓地とシールドゾーンも存在していますが、デュエプレ1弾環境では効果的に使用するのが難しいのでここでは無視することにします

*2:デュエプレにはまだ《偉大なる無駄》はありませんが、架空の呪文ってことにしておきましょう

*3:目に見えない、もっと巨大なアドバンテージもありますが、後編で触れられればいいなあ。。。

*4:現在の紙のデュエマではわざわざタップせんでも出た時バトルする生物とかマッハファイターとかで殴ればええねんってなってるのがアレですが…

*5:ブレイクされたシールドから出てきた場合コストを支払わずすぐ使用できる能力。デッキに8枚以上入れよう

*6:もっとも、ダメージレースをするにあたって2枚と3枚は一番大きな差になり、それ以上になるとあんまり差がなくなっていくのですが

*7:ただし、紙と違って探索という能力がすごく弱いのでそこは注意が必要です。過信してはいけない

*8:一応相手の山札切れで勝つという手段もなくはないんですが、自分の方が山札が少ないと負けるので殴って勝つ手段を持っておいた方がいいと思います

*9:不落の超人はNG

*10:その点《クリスタル・パラディン》は隙がなくてダメ押しに大変いいですが高いです

*11:あと紙と違い召喚酔いは解除されないため疑似スピードアタッカーにはなりません。過去に紙をやってた方は注意

*12:単体の性能だけ見ればランサーより強いまであるけど進化元

*13:クリーチャーならともかくシールドに攻撃するだけで-1です

*14:いやまあ《ナチュラル・トラップ》はコスト6なのですが

*15:でもキングポセイドンはカード引くにはコストが高すぎて使われないんですよね…

*16:一応《灼熱波》とか《ロスト・ソウル》とかなくはないです

*17:これを覆すのがスピードアタッカーであり進化速攻です。強すぎる

*18:こんな感じで相手の妨害に重きを置いたデッキタイプのことをコントロールと呼んでいます

*19:あくまで理論上の話。ちょっとかじってる人は余計なカードを使用しないことで手札を温存してきます…が、カードを使わせないのもそれはそれで強いです

*20:紙のデュエマだと強力なカウンターカードはあるんですけど、《斬隠双頭龍バイケン》とか《永遠のリュウセイ・カイザー》とか

*21:一応手札に戻せれば捨てさせられる