#藍と橙の間で

twitterまとめ。デュエルマスターズ・FGO・グリムノーツ・流転のグリマルシェ

誰も教えてくれなかったデュエプレ初心者へのキホンのキホン後編・「カードを動かす」

後編です。プレイングの話をお探しの方はこちらであってます。
繰り返しになりますが、技術の話なのでまず実際にゲームしてみて「なんでそうしてるの?」ってなったら読み返すのがいいと思います。またゲームスピードが遅いデュエプレに向けた解説なので、インフレが進んだ紙のデュエマに当てはめようとするとかなり古い情報になります。各自でアップデートしてください。

今回の攻略記事は「カードの読み方」「カードの動かし方」というふたつのテーマにざっくり分けた2部構成となります。
後半であるこの記事は「カードの動かし方」、実際に対戦した時にとりあえず覚えておきたいことをあれこれまとめたものになります。さらに前半で触れなかった「速攻」というデッキタイプについても少し触れていければと思っています。
もちろん対戦は生き物なので、セオリー通りに進めると負ける、という場面に出くわすことも多々あると思います。この辺は対戦回数を重ねて「これはやばい」という直感を磨いたり、うまいプレイヤーのより深い話を見聞きしたりして、「セオリー通りに進める」「セオリーから逸脱する」スイッチの切り替えができるようになるといいと思います。

後半、「カードの動かし方」で解説する3つのテーマはこちら。

・「使える」けど「使わない」
・「攻撃できる」けど「攻撃しない」
・「時間」という最大のアドバンテージ

「できるけどしない」という否定の言葉が続くのですが、デュエルマスターズではこれがすごく大事になります。
タイミングの見極め。

「使える」けど「使わない」
バトルゾーンにあるもので対処できないか

すごく簡単な問題から。

自分のバトルゾーン:パワー3000のクリーチャー1体(能力なし)
自分の手札:《トルネード・フレーム》

相手のバトルゾーン:パワー2000のクリーチャー1体(タップ状態)

この時、相手のクリーチャーに《トルネード・フレーム》を使うかどうか。

答えはNOです。自分のクリーチャーで攻撃した方がいい。
アドバンテージの面で見ても手札を使うと0、クリーチャーで倒すと+1になります。

自分のバトルゾーン:パワー2000のクリーチャー1体(能力なし)
自分の手札:《トルネード・フレーム》

相手のバトルゾーン:パワー2000のクリーチャー1体(タップ状態)

この場合も、クリーチャーで攻撃して相殺していいと思います。アドバンテージはどちらも0。

進化クリーチャーの進化元になるのであれば少し考えますが、また出せるなら問題ないでしょう。

このように、手札にあるものとバトルゾーンにあるもののどちらでも対処できるなら、バトルゾーンにあるものを使った方がいいです。
理由は、バトルゾーンにあるもので対処できないときに手札を使いたいことと、手札は見えないこと。

ひとつ目。
バトルゾーンに出てくる相手クリーチャーに次々除去カードを使っていきました。
最後に、《雷鳴の守護者ミスト・リエス》が出てきました。手札に除去カードはありません。
負けます。マジで負けます。

デュエプレ1弾現在の除去カードは、《灼熱波》や《魔獣虫カオスワーム》*1などごく一部を除いて「1枚使って1体どかす」カードばかりです。枚数のアドバンテージは0。
それなら、できるだけ強い相手に除去カードを使いたいです。*2

ブロッカーを出すことで相手の攻撃を抑え込めるなら抑えておきたいし、寝ているクリーチャーにパワーで勝っているなら攻撃して勝った方がいい。
大事な切り札はできるだけ取っておきたいものです。*3

ふたつ目。
バトルゾーンは見えますが、手札は相手に見えません。
何を持っているか隠せるなら隠しておいた方がいいです。除去カードを握っているかもと思わせられれば、相手もうかつに行動できなくなります。

リソースが十分あるのにさらに増やそうとしてないか

特にマナゾーンの話。

マナチャージフェイズ
自分のターン、自分はカードをプレイする前に手札のカードを1枚マナゾーンに置いてもよい。

基本ルールです。

「置いてもよい」ということは、「置かなくてもよい」のです。
手札のカードをマナゾーンに置くと、手札が減ってしまうのです。手札が減ると取れる選択肢が減っていくのです。

もちろん、強力なカードを使用するためにはある程度のマナが必要になります。それは仕方ない。
しかし、それを超えてマナゾーンにカードが必要になるかというと、全くないとは言えませんがあまり見ないのではないかと思います。

とりあえずの指標として、マナゾーンに置くカードの適正な枚数を考えてみましょう。

分かりやすいのは、使いたいキーカードのコスト分の枚数。
7コストの《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》を出したいからマナゾーンが7枚必要になる、というのは分かりやすいと思います。
なお、低コスト中心のデッキに高コストSトリガーである《ホーリー・スパーク》辺りが入っていた場合、この《ホーリー・スパーク》は無視する場合があります。手札から使わずともブレイクされたシールドから来てくれればいいのです。

もうひとつは、組み合わせて使うと強いカードの合計コスト分だけ準備する。
1コストの《アクア・ガード》の上に6コストの《クリスタル・ランサー》を乗せていきなり攻撃するなら、マナゾーンは7枚必要になります。

また、5コストの《キング・ケール》で手札に戻したカードを2コストの《ゴースト・タッチ》ですぐに叩き落とすなら、これもマナゾーンは7枚必要になります。

このように、単一のカードだけではなくデッキ全体で見て必要なマナ数を導き出せるとより強まるでしょう。

あくまで適正枚数なので、「《デーモン・ハンド》と《ゴースト・タッチ》を同時に使いたい!」とか、そういう場面に陥ったのであれば、その都度増やす必要も出てくるでしょう。その時はその時で、柔軟に対応すればいいのです。
重要なのは「大事な手札を減らしてまでむやみにマナゾーンを増やすことはない」ということです。

前編でも少し触れたのですが、山札からマナゾーンのカードを増やす《青銅の鎧》や《大勇者「ふたつ牙」》などを使っている場合、手札を消費せずとも自然とマナゾーンが増えているということもあると思います。この場合、《ストーム・クロウラー》や《二角の超人》などで後々マナゾーンからカードを回収できると便利です*4

使った隙に付け込まれないか

「何とか除去した!けど手札がゼロになってしまった!」
大ピンチです。相手にターンを渡して《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》とかを出されると(バトルゾーンにパワーで圧倒できるクリーチャーがいるとかでなければ)結構負けます。

手札1と0の差はかなり大きいです。
相手の手札がゼロになったということは、行動の選択肢がない、つまり自分のやりたいことがかなり妨害されづらい状態になったと言えます。このチャンス、逃す手はありません。バトルゾーンの残党狩りをしつつ、強いカードを遠慮なく叩きつけてやりましょう。

もちろん、それは自分の側も同じです。できるだけ手札をキープしながら立ち回ることで相手にプレッシャーを与えることができるかもしれません。*5

以上が「カードを使う」ことに対する考え方のひとつとなります。
なおデュエプレの場合、手札の上限は10枚までになります。手札が10枚の時に手札に入るカードは全て墓地に行ってしまうので、手札が溢れそうならある程度ガンガン使ってしまってもいいでしょう。その場合も、重要なカードは残しておくように。

 

「攻撃できる」けど「攻撃しない」

シールドへの攻撃は「基本的に」損

対戦相手に攻撃しブロックされなかった場合、対戦相手のシールドをブレイクすることができます。ブレイクしたシールドは手札に行きます。
対戦相手のシールドが0枚の状態で対戦相手に攻撃しブロックされなかった場合、ゲームに勝利します。  

基本ルールです。

それではシールドに攻撃します。

相手の手札:+1

-1です。以上。Wブレイカーなら‐2になります。

シールドへの攻撃は、勝利条件の達成に不可欠*6な一方、攻撃することで相手が得してしまうという欠点もあります。そのため、闇雲に攻撃するのは少し考えなければなりません。

じゃあ、どうするか。
例えば、《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》。

ブレイクしたシールドを墓地へ。ブレイクした分のマイナスが全て0になります。
一番わかりやすくシールドに攻撃できるカードです。

例えば、《聖霊アルカディアス》。

光以外の呪文は唱えられない。ブレイクしたシールドが光以外の呪文であれば、せっかく手札に入ったカードも使用できません。
得した分を活用させないのであれば、得したとは言わせません。

…と、紹介したカードはSRばかり。やはりSRゲーなのか。
そんなことはありません。

例えば、《卵胞虫ゼリー・ワーム》。

相手の手札を0にしてから「他のクリーチャーが攻撃する」→「《卵胞虫ゼリー・ワーム》が攻撃する」ことで先にブレイクしていた分の手札を墓地に送ることができます。実質《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》。ベーシックデッキのカードです。
これが前編でちらっと触れた「強く使うためのひと工夫」です*7

では、ゼリーワームで殴るしかないのか。そんなこともありません。ヒントは《聖霊アルカディアス》。
相手が得した分で対応しきれないくらいの戦力を準備して、一気に攻撃してしまえばいいのです。*8

バトルゾーンに攻撃できるクリーチャーをたくさん並べます。4~5体くらい、大きめなクリーチャーがいるとなおよし。並行して相手のバトルゾーンを消し飛ばします。2ターンくらいに分けて攻撃します。初手で3~4枚くらいシールドをブレイクできればいい感じ。
デュエプレで自分のターンに手札から使えるカードはせいぜい2~3枚なので結構対応できません。

ここに、積み重ねたアドバンテージの差が活きてきます。少々の損をしたところでそれ以上の得を取り、その得を取り返されなければ怖くはないのです。
まずはアドバンテージを得ることから。キホンのキホンです。

攻撃した結果崩壊する戦線 - S・トリガーの存在

…と、そううまくいかないのがデュエルマスターズ

S・トリガーという能力があります。シールドからブレイクされた時にこの能力を持っているカードがあれば、それをそのまま使うことができます。もちろん、タダで。
《デーモン・ハンド》とかはわかりやすいですよね。シールドから飛び出したら1体破壊できる。アタッカーを破壊してピンチをしのいだり、ブロッカーを破壊して反撃のチャンスを広げたり。バトルゾーンに7体までというデュエプレでは紙よりも重い存在となります。
攻撃する時は、S・トリガーのことも頭に入れて攻撃しなければなりません。

マナゾーンを見る。文明をみて、入っているS・トリガーを予想する。《ホーリー・スパーク》は見えているか。
何枚までならS・トリガーを踏んでも大丈夫か。踏んだらどこで攻撃の手を止めるか。
《アクア・サーファー》踏んだら死なない?死ぬ、なら踏まないことを祈りましょう。

計画を立てたら攻撃する順番を決めます。
パワーの低いクリーチャーほど引っかかるS・トリガーの種類は増えます。パワー2000なら《幻竜砲》《ファントム・バイツ》でも破壊されますし、《バースト・ショット》で全部飛びます。

一方、《デーモン・ハンド》や《ナチュラル・トラップ》などは誰でも除去できるので大きいクリーチャーが狙われるのはおいしくないです。
…というのを最初の状況確認と照らし合わせながら、どんな順番で攻撃するかを決めていきます。*9

後は、お祈りして攻撃するだけ。S・トリガーを踏まなければ良し、踏んだら結果に応じて立ち止まる。相手に逆転の目が見えそうなら仕切り直すのもまた大事です。
この辺は実際に攻撃して踏んで覚えるのがいいと思います。

…《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》って楽ですね!!!*10

殴らなくても死ぬなら殴ってサーファーに祈れ

《アクア・サーファー》という超強いクリーチャーがいます。

ベーシックデッキには《預言者コロン》という超強いクリーチャーがいます。

いずれもS・トリガー持ちのクリーチャー。効果としては手札に戻す/タップするとやや貧弱ですが、クリーチャーを1体どかすという点では十分な性能を持っています。クリーチャーなので《聖霊アルカディアス》に引っかかることもありません。
時にはこれらのクリーチャーに祈るのも大事なのでは、というお話。

《勇神兵エグゾリウス》というクリーチャーがいます。

「アンタップしているクリーチャーに攻撃できる」という殺戮兵器。バトルゾーンの制圧に強力に威力を発揮するクリーチャーです。黙っていても1ターンごとに1体ずつミンチにされていきます。
除去がなく高パワーのクリーチャーで殴り返す算段もない、ならば。数を並べてとっとと攻撃してしまいましょう。1体しか処理できないなら数で攻めれば追い付けなくなります。
運悪く壊滅してしまっても、相手のシールドを0枚まで追い込めているならまだチャンスはあります。そう、《アクア・サーファー》。1体どかして1体クリーチャーが出てきます。攻撃の手を潰して、ブロッカーがいなければ勝ちです。

「どうあがいても負ける」という場面はどうしてもやって来ます。それは突然やってくるのかもしれないし、前触れがあるのかもしれない。後々思い返したら1ターン目のマナチャージが既にフラグだった、ということもあるかもしれません*11
そんな状況で大事なのは、どうすれば勝ちを拾うことができるか。そのために何をすればいいか。アドバンテージの獲得は重要ですが、時にはセオリーから逸脱する勇気も必要です。
「人事尽くして天命を待つ」。やれることをやりつくして、祈りましょう。*12

以上が「攻撃する」ことへの考え方になります。
勝つために必要なのに、一歩間違えれば負けに繋がる。なるべく安全に決めたいけど、時には覚悟を決めて突っ込むことも必要になる。シールドをブレイクしきってつかみ取る勝利の快感。
デュエルマスターズの攻撃は、そんなストレスとカタルシスに挟まれて存在しています。うまく攻撃することを覚えて、爽快に勝利をつかみ取りましょう。*13

「時間」と「流れ」

損をするはずの速攻が成立する理由 ー 「時間」という最大のアドバンテージ


シールドを攻撃するのは損です。繰り返します、シールドを攻撃するのは損です。
そんなデュエルマスターズのセオリーに真っ向から喧嘩を売っていくデッキがあります。「速攻」です。

1ターン目!《凶戦士ブレイズ・クロー》!2ターン目!《奇襲兵ブルレイザー》!3ターン目!《襲撃者エグゼドライブ》!全部顔面!!

あるいは《小さな勇者ゲット》を《鬼神装甲ヴァルボーグ》に進化!3ターン目にWブレイカーだ!!

手札のほぼ全て*14をバトルゾーンの展開に使い、早ければ2ターン目から相手に手札を与え続けるこのデッキ。セオリー通りなら正気の沙汰とは思えません、が。実はこれ、合理的な理由があります。「時間」です。

マナを増やすカードを使わないかぎり、1ターンで増えるマナの数は1。いきなり強いカードを使ったり、大量のカードを使ったりするのは難しいです。そこに、大量の手札を供給したら。
「手札はたくさんあるけどバトルゾーンにクリーチャーがいなくて攻撃できない!」
こうなりますよね。

前項の《聖霊アルカディアス》のところでもちらっと触れました。
「得した分を活用させないのであれば、得したとは言わせません。」
せっかく得たアドバンテージも、活用できないならただの厚紙にすぎません。*15

大量の手札も、強力なカードも、全部使わせない。使われる前に終わらせる。
そんな目に見えない、でも巨大なアドバンテージである「時間」を味方につけるのが、速攻デッキの強さになります。

…「活用できないなら」。
速攻デッキにどう挑むかは、あなた次第です。

得意な時間帯

どんなデッキにも、一番輝く瞬間というものがあります。

5枚の手札に命を預け、序盤から果敢に攻めていく速攻。
速攻より遅いものの、適度にアドバンテージを得てからそれを高い攻撃力に変えるミッドレンジ*16
相手の攻勢をさばき、バトルゾーンを万全に整えたり反撃を許さない強力なクリーチャー1枚を出すことですべてを終わらせるコントロール
現状ではあまり振るっていませんが、大量のマナを得てから強力なカードを叩きつけ続けるランプ*17というデッキタイプも現れるかもしれません。

反面、持ち味を潰されるとどうしても弱さが出てくるものです。

一度さばかれるとアドバンテージの獲得に欠け再展開が難しい速攻。
各個撃破され高い攻撃力をもぎ取られるミッドレンジ。
S・トリガーへのお祈りもむなしく殴り倒されるコントロール
必要なマナ数に届く前に手札が尽きてしまうランプ。

たった40枚ぽっちの紙束であらゆる時間帯をカバーできる完全無欠なデッキを作ることはできません。
できたとすればそれは「あらゆる時間帯で勝ち、それ以上にあらゆる時間帯で負ける」引きに大きく左右されたデッキになるでしょう。常に「今このカードはいらない!」と叫ぶような。
それよりは「強い時間帯でとことん強い」デッキや、「弱い時間帯もある程度ごまかせる」ような、強みと弱みをよく理解した上でうまくテコ入れした方がより勝率は上がるのではないかと思います。*18

流れを引き寄せる

Q:大変だ!《アクア・ガード》や《アクア・ハルカス》が大量に並んでる!次のターンには誰かが《クリスタル・ランサー》に進化して攻撃してくるぞ!
A:まず《灼熱波》を撃ちます。

Q:大変だ!《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》が出てきた!次のターンからシールドが消し炭にされてしまう!
A:親の仇のように《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》を倒し続けましょう。全部倒せば脅威は多分なくなります。

Q:《デス・スモーク》強すぎない?
A:実はある程度パワーがあるならタップしている方が安全だったりするんですよね。進化速攻しましょう。

Q:手札破壊が邪魔すぎる!!!
A:落ち着いて《ペコタン》と《ミラージュ・マーメイド》を揃えましょう。《トリプル・ブレイン》でもいいぞ。

Q:《二角の超人》が出てきてなんかガサゴソやってた!
A:多分ラストターンです。死にます。そのターンで勝つか《ロスト・ソウル》撃ちましょう。

Q:ミミのデッキにやたらS・トリガーの生き物が入ってて逆転されるんだけど何とかならない?
A:あいつ確か《ディープ・オペレーション》で引いてくるので出てきた生物を全部倒して放置しましょう。山札切れします。

ちょっと思考がコントロールに寄りすぎてるかもしれない。

ゲーム環境そのものが健全であるという前提ではあるのですが、何事にも大体対策は用意されているものです。それは「後出しで対応できる」だったり「アグレッシブに行動することでそれを行わせる隙を与えない」だったり、デッキによって得意なことも苦手なことも混ざっています。また、理論上はできたとしても、それらをまとめて40枚のデッキにするには物理的にできる範囲も限られてきます。
もし仮に対策不可能なのであれば、あまり間を置かずにあらゆるプレイヤーがそれを使い始めるでしょう。だってその行動を通せば勝てるのだから。そんな環境は健全ではないので、ほどなくして何かしらの修正が入るでしょう。

話がそれました。
大体の場合何かしらの「隙」が生まれます。そこをうまく叩くことができれば、流れを自分の方に引き寄せることができます。
アドバンテージの取り合いについては何度か解説してきましたが、もっと大きく見るなら、この「流れ」の取り合いとも言えるでしょう。

例えば。
同じ4コスト3000のクリーチャーでも《磁力の使徒マグリス》を倒すのと《ペコタン》を倒すのではその後の流れに違いが出てきます。前者は*19ただの4コスト3000なのですが、後者は後ろに《ミラージュ・マーメイド》というスーパーアドバンテージ生物が控えているのだから。

条件付きで+3。卒倒しそう。

6マナに近づくにつれ種族が「リキッド・ピープル」「ビーストフォーク」あたりであることに重みは増してきますし、《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》は少数でも絶対的フィニッシャーとして頼れる存在です。《デス・スモーク》は棒立ちしているクリーチャーに対して無類の強さを発揮しますし、手札をバカスカ使うデッキに手札破壊はとてもよく刺さります。
だから、進化しそうなクリーチャーはまとめて薙ぎ払い、強力なエースクリーチャーは行動される前に倒し、有能な除去は撃たせないように立ち回り、手札破壊には多くの手札をキープすることを心がける。流れを引き寄せ、相手に渡さない。

何が重要かを見定めるには、事前にどんなカードが存在しているか、どんなデッキが存在しているか、ある程度の情報収集が必要になります。戦いは対戦前から始まっているとも言えるでしょう。
そこで得た情報をもとに、対策を立てていくことになります。情報収集の段階で見た相手なら事前に立てた対策通り、見慣れない相手ならうまく勘を働かせて。自分のデッキの強いところを叩きつけられるよう、いい感じに立ち回っていきましょう。

「時間」を味方につける速攻の話。デッキの強みである得意な時間帯の話。単なる数字の取り合いであるアドバンテージの上に乗った「流れ」の話。
やや雑多ではありましたが、最後にいくつかの解説をしました。
カードを理解し、デッキを理解することでデッキのポテンシャルは上がっていきます。情報収集を怠らず、積極的に対戦し、頭と手に経験値を溜め込んでいきましょう。

以上が、後編「カードの動かし方」の解説となります。
「できる」けど「しない」という立ち回りの原則、それを打ち破る駆け引き。時間という巨大なアドバンテージの存在と、それを味方につけるデッキ。カードを知り、流れを読み、それをつかみ取ること。
すぐに実行するにはやや難しいこともあると思います。まずはセオリーから、一つ一つ固めていきましょう。

今回の内容は、とりあえずカジュアルマッチでゆるく遊んだりランクマッチの下位を抜けるくらいのものです。上位で戦うにはメタゲームの知識は避けて通れませんし、それなりに経験も積む必要はあるでしょう。しかし、その辺はもっとうまい人がフォローしてくれているはずです。
まずはデュエルマスターズの面白さ、奥深さを楽しむところから始めてもらえればと思います。一緒に楽しんでいきましょう。

*1:1体除去して1体アタックで倒せるので2体除去れる

*2:質のアドバンテージ、と言ったりします

*3:ただし、シールドがある間の話。シールドがなくなった瞬間からアタッカーの危険度は跳ね上がります。どれくらい耐えられそうか、スピードアタッカーを許容できるか考えながら除去を使っていく必要が出てきます

*4:二角の超人はSRなので少々お高いですが出ると大体勝ちます

*5:たとえ戦況にはあまり影響のないカードであっても大事に持っておくことで相手に警戒させるブラフ(ハッタリ)という考え方もあります。デュエプレでは顔に出ない分紙よりやりやすいかもしれません

*6:あくまでデュエプレの話。今の紙だと殴らなくても勝ててしまうので必須ではないです

*7:この記事は解説記事の皮をかぶった《卵胞虫ゼリー・ワーム》を布教する記事です

*8:ここに《クリスタル・ランサー》や《大昆虫ガイアマンティス》の弱点があったり、《クリスタル・パラディン》の強さがあったり

*9:正直なところどんな状況でもW・ブレイカーから殴っていっていいと思います

*10:もちろん楽にするために綿密に立ち回った結果なのですが

*11:闇のカードが見えた瞬間から手札破壊を意識する、とか

*12:そして降臨する《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》

*13:まあいちいちそんな寿命を縮めるようなことをしたくないって気持ちはよーく分かりますが、残念ながらそういうゲームです

*14:《火炎流星弾》もあるよ

*15:デュエプレなら「データ」かもしれないです

*16:中速ビートダウン

*17:ビッグマナ

*18:もちろんデッキ間には相性がありますし、それらを俯瞰したメタゲームって概念もあります…が、デュエプレのメタゲームは貴族の遊びなのでとりあえずここでは語らないでおきます

*19:1弾時点では